魂は…⑦

叔母が亡くなってから四十九日までの間、不思議な事が次々と起こった。

 私は叔母のお通夜に参列するために支度をしていた。悲しみに包まれていたが、なぜだか「叔母はもうここに居ないのではないか」と言う思いがして空を見上げた。

とたん、携帯が鳴った。大阪に住む私の従姉で、叔母にとって姪っ子からの電話だった。

「あのな、今ここにおるで。ここのソファに座ってんねん。」

私は「やっぱり❗」と驚いた。

従姉の子供達が気が付いたのだ。

「ママ~、お水持ってきて❗大切な人が来てんねん」と。お線香の様な香りと煙の様な状態で現れたと言うのだ。

従姉は霊感とかテレパシーとかそういう類いの能力があったわけでない。

従姉は、叔母が亡くなって直ぐに大阪から新幹線に飛び乗って叔母の自宅に駆けつけた💨

その時に「よく来たね」と背後から誰かに話しかけられたのに振り向くと誰も居なかったという体験をした。

どうやら叔母は「この姪なら分かってくれる❗」と思ったのか、この時だけ周波数というかチャンネルが合い、突然対話が出来たのだ。

なので、従姉本人も不思議な体験をして、その体験を電話で私に伝えてきてくれるのだった。

お通夜と告別式の時、叔母の魂は自分の体が有る神奈川と、対話が出来る従姉が住む大阪を行ったり来たりしていた。

魂は光と同じで瞬間移動出来るのだ。

劇症型心筋炎で突然言葉を交わすことが出来なくなった叔母にとって、叔母の思いが伝えられる姪っ子の存在は魂となってからも、とても有難い、重要な存在だった。

従姉はそれから毎日、私に電話をして伝えてくれた。

従姉には三人の幼い子供達がいて、従姉の父母は葬儀に参列するので預ける術がなく、大阪で留守を預かりながら、叔母の魂と対話をすることとなったのだ。


f:id:beltel:20221023145639j:image秋🍂これから紅葉が進む青森の小路にて